マドンナの専属コックが日本人であるというのは、有名ですね。
健康志向の強いマドンナの食事はマクロビオティック。
玄米などの雑穀と野菜、海藻などを中心とした食事療法です。
マクロビ実践者は、マドンナ以外にもたくさんいます。
トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シャロン・ストーン…。
ジョン・レノンとオノ・ヨーコは夫婦ともにマクロビ実践者でした。
このように、とくにアメリカでマクロビが人気です。
そんなことから、マクロビはアメリカ生まれと思っている人がいますが、実は日本で生まれた健康法です。
マクロビオティックの創始者は桜沢如一(さくらざわゆきかず)という日本人。
食文化研究家ですが、同時に思想家でもあります。
マクロビは単なる健康法というよりは、哲学と言っていいかもしれません。
根底には中国の陰陽論があります。
そこに日本の伝統的な食養生が合体して生まれました。
食養生だけが目的ではなく、自然と調和しながら生きるためのひとつの方法として食養生があります。
マクロビでは、肉や魚といった動物性食品を摂りません。
(ときに小魚は食べることはあります)
雑穀、野菜、海藻、大豆製品などが中心の食事となります。
マクロビでは「身土不二」ということを重要視します。
あらゆる生き物は、生まれた環境と一体であるという意味です。
その土地のもの、その季節のものを食べなさいということ。
たとえば、冬にスイカや熱帯のものを食べるのはダメ。
冬なら、その土地で穫れる身体の温まるものを食べなければいけません。
このほか「一物全体」も重要です。
食材は、すべて丸ごと食べなさいということです。
小魚なら頭から尻尾まで、野菜なら皮や葉っぱも食べます。
米なら白米ではなく玄米ということになります。
すべて全体を食べることで、バランスが取れると考えるのです。
マクロビの根底には陰陽思想があるので、その食材が陰性か陽性かということを常に考えます。
さらに調理法にも陰陽があり、サラダなど生や冷たいものは陰性、煮込み料理などは陽性となります。
食材、調理法ともに、陰陽のバランスを考えていくことが大事なのです。
このように厳格な食事療法であるマクロビを実践していくと、結果としてダイエットや美肌になっていきます。
それが目的ではありませんが、低カロリーで野菜の多い食事であるため、自然と痩せていくのです。
こういった食事を続けていると、まず身体の中の老廃物が排出されます。
老廃物がすべて出てしまうまでは、漢方で言う好転反応のような症状が出ることがあります。
一時的に肌が荒れたり、下痢をしたりすることがありますが、すべて排出されると治まります。
マクロビを続けていくと、自然と肉や加工食品を食べたくなくなっていきます。
砂糖なども欲しくなくなるのです。
マクロビ実践者は菜食主義者でもあります。
肉を食べないと、力が出ないのではないか?と思う人がいると思います。
実際は、まったくそんなことはありません。
むしろ、体調がとても良くなり、バリバリ仕事ができるようになったという人がほとんどです。
またマクロビでは、よく噛むことを奨励しています。
玄米などは、よく噛まないと消化が悪いということもあります。
このような食事を続けていると、少しの量で満足できるようになります。
低カロリー食の上に、たくさん食べないので、ダイエットになるのは当然です。
ただし、本気でマクロビをやるには覚悟がいります。
家族全員でやるなら良いのですが、自分だけなら、別に食事を作る必要があり手間がかかります。
友人とのつき合いも悪くなる可能性があります。
ですから、ダイエットと美肌が目的なら、ほどほどのマクロビでも良いかと思います。
たまにつき合いで、魚を食べたり甘いものを食べたりすることも大目に見ましょう。
その代わり、ふだんはなるべく玄米菜食にしてみてください。
マクロビを始めると、まず便秘が治り、肌がきれいになっていきます。
そして痩せたあと、太らない身体になっていくはずです。
もちろん免疫力も高まり、病気になりにくい身体になっていきます。
簡単にできるものでありませんが、その効果は絶大です。